療養補償・療養給付

業務で生じた病気やケガで病院や薬局などを利用する際に労災保険から支給されます。治療費の負担を軽減できる制度です。受給の条件・申請の流れなどについて説明します。


✏️制度のポイント

  • 労災にまつわる治療費は、補償や給付が受けられる
  • 労災指定の医療機関の場合、申請すれば無料で治療が受けれれる
  • 労災指定の医療機関以外を利用する場合、費用を後日請求できる

療養補償・療養給付とは

療養補償・療養給付は、労災保険から支給されます。 仕事中や通勤中に発生した病気やケガで、医療機関を受診する場合や、薬を買ったりする場合に、支給を受けることができる制度です。

治療費の負担を軽減できます。

病院代や薬の支給を無料で受けられる(現物給付)場合と費用の支給が受けられる(お金の支給)の場合の2パターンあります。

大抵の場合、現物給付が基本になります。

療養補償と療養給付の違い

  • 仕事中に発生した病気やケガの場合、療養補償と言います。
  • 通勤中に発生した病気やケガの場合、療養給付と言います。この場合は、給付初回に一部負担金として200円の支払いがあります。

呼び方が異なるだけで、内容はほぼ同じです。

※通勤中の病気やケガは会社に責任がないので、「補償」という言葉(償う、という意味合い)は使わずに、「給付」という言葉を使います。


「療養の給付」と 「療養の費用の支給」

療養補償給付には、2つのパターンがあります。

  • 療養の給付:病院代や薬の支給を無料で受けられる(現物給付)
  • 療養の費用の支給:費用の支給が受けられる(お金の支給)

療養の給付

労災の場合、基本的には「労災病院」や労災の指定する医療機関(これを指定医療機関といいます)を利用して治療を行います。

指定医療機関で受診する場合は、申請書を提出すると、無料で診察や処方を受けることができます。

申請の方法(療養の給付)

「労災病院」や労災の指定する医療機関に、「療養補償給付たる療養の給付請求書」を提出します。

給付請求書ダウンロード(厚生労働省)

申請書には、勤め先会社が記入する欄もありますので、まずは会社と一緒に請求書を完成させ、その後で指定医療機関に提出します。

申請することで指定医療機関ではお金を負担せず治療できます。


療養の費用の支給

近くに「労災病院」や労災の指定する医療機関(これを指定医療機関といいます)が無く、他の病院を受診して費用がかかる場合は、費用の請求を行います。

申請の方法(療養の費用の支給)

『療養補償給付たる療養の費用請求書』に事業主(会社)及び医師の証明を記入してもらいます。 その後、労働基準監督署へ提出します。


過去の治療分の請求はできる?

「労災病院」や労災の指定する医療機関を使用する場合は、現物給付(その場で無料)になっていますので、問題はないかと思います。

労災指定病院以外でかかった費用については、2年前の分までは請求権があります

まとめ

  • 労災にまつわる治療費は、補償や給付が受けられる
  • 労災指定の医療機関の場合、申請すれば無料で治療が受けれれる
  • 労災指定の医療機関以外を利用する場合、費用を後日請求できる