自立支援医療制度

精神科の病院に通院する場合に、医療費の負担を軽減できる制度です。受給の条件や申請の流れなどについて説明します。


✏️制度のポイント

  • 精神疾患で通院する場合、負担額が1割以下に減る制度です。
  • 主治医の診断と、都道府県の同意が必要です。
  • 申請は、市町村の窓口で行います。

自立支援医療制度(精神通院医療)とは

自立支援医療(制度)は、精神科への通院にかかる負担を減らすための公的な制度です。

精神疾患、心の病気、心身の障害に対する医療費の負担を軽減するために、都道府県や指定都市が行っている取り組みです。

自立支援医療制度を利用することで、ふつう3割負担の医療費が1割負担まで軽減されます。また所得や治療内容に応じて、月あたりの自己負担に上限が定められ、その上限を超える分の医療費は負担しなくてよくなります

通院にかかる医療費に対する制度なので、入院は対象外です


どんな病気だと利用できる?

担当のお医者さんが「精神科医療を長期継続する必要がある」と判断すれば、基本的にはどんな精神疾患でも適用される可能性があります。

なお、認定には主治医の証明と、さらに都道府県の同意が必要です。

ただ、代表的な疾患としては、以下のものが挙げられます。

  • 統合失調症、妄想性障害
  • 気分障害(うつ病、双極性障害)
  • 知的障害
  • 自閉症スペクトラム障害(アスペルガー症候群など)
  • パーソナリティ障害

上記に当てはまらなくても、症状・経過によって、認定が受けられる可能性もあります。

  • 認知症、高次脳機能障害など器質性精神障害
  • アルコール・薬物などの物質使用による障害
  • てんかん
  • 不安障害(不安神経症)
  • 摂食障害(過食症・拒食症)

医療費の軽減額は?

通常、医療保険に加入しているため医療費負担は3割負担になりますが、自立支援医療(制度)を利用すると、負担は基本的に1割負担になります

さらに、自立支援医療(制度)を利用すると毎月の医療費の上限額が設定されます。医療費の上限額を上回る分は負担する必要がなくなります。

毎月の上限額はどのように決まるの?

毎月の医療費の上限額は、世帯収入や病気の内容によって決まります。

金額は以下のようになっています。

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以下の厚生労働省の資料からも、同じ内容が確認できます。

厚生労働省資料


「重度かつ継続」とは

病気の状態が「重度かつ継続」と認められる場合には、さらに上限額が引き下げられ、大幅に負担が軽減されます。

「重度かつ継続」という状態には、以下のようなものが含まれます。

○疾病、症状等から対象となる者

  • [更生・育成]

    • 腎臓機能・小腸機能・免疫機能・心臓機能障害(心臓移植後の抗免疫療法に限る ) ・肝臓の機能障害(肝臓移植後の抗免疫療法に限る )の者
  • [精神通院]

    1. 統合失調症、躁うつ病・うつ病、てんかん、認知症等の脳機能障害、薬物関連障害(依存症等)の者
    2. 精神医療に一定以上の経験を有する医師が判断した者

○疾病等に関わらず、高額な費用負担が継続する ことから対象となる者

  • [更生・育成・精神通院]

    • 医療保険の多数該当の者

自立支援医療の申請の流れ

申請は、各市区町村の障害福祉課などが窓口となっています。 申請書は、役場の窓口にありますので、以下の書類を準備して行きましょう。

  • 印鑑
  • 主治医の診断書(担当のお医者さんにお願いします)
  • 健康保険証
  • マイナンバーが分かるもの
  • 世帯所得が確認できる書類(これも役所で取得できます)

    • 課税証明書・非課税証明書や生活保護受給証明書など

まとめ

  • 精神疾患で通院する場合、負担額が1割以下に減る制度です。
  • 主治医の診断と、都道府県の同意が必要です。
  • 申請は、市町村の窓口で行います。