出産手当金

出産のために会社を休んで、給与の支払いが受けられなかった場合に健康保険から支給されます。手当金の計算や、いつ申請するのか、退職や扶養、パート・アルバイトの場合など支給の条件についても解説します。


✏️制度のポイント

  • 出産のための休職の場合、お給料の3分の2が支給される
  • 国民健康保険の場合はもらえない
  • 扶養に入っている場合はもらえない
  • パートやアルバイトでももらえる可能性がある
  • 申請後の退職ならもらえる可能性がある

出産手当金とは

出産のために会社を休んで、給与の支払いが受けられなかった場合に健康保険から支給されます。

働く女性が妊娠した場合、産休に入ることがあるかと思います。その期間に受け取れるはずだった給与の補填をしてくれるのが出産手当金です。

産休は労働基準法で定められています。

  • 産前に42日(多胎の場合は98日)前から産休を取得できます。また、産後56日までの範囲では産休で会社を休むことができます。

会社を休んでいる期間に

  • 給料が支払われていない
  • 給与が支払われていてもその給与の日額が出産手当金の日額より少ない

上記に当てはまる場合は出産手当金が支給されます。

妊娠、出産には何かとお金がかかるので、申請することでかなりの負担を軽減することができます。


どんな人がもらえるの?

まず、「国民健康保険」には出産手当金の制度はありません

自営業のかたや、働いていない場合は基本的に「国民健康保険」に加入しているかと思います。

「協会けんぽ」「全国健康保険組合」に加入の方は問題ありません。 (会社に勤めている場合は「協会けんぽ」「全国健康保険組合」に加入の方が多いかと思います。)

※お勤めの会社の保険組合に加入している場合は、窓口にお問い合わせください。

扶養に入っている場合は対象外

出産手当金は、妊娠までに働いていた方への休業補償を目的としているため、夫の扶養として健康保険に加入しているなど、自身が働いていない場合は支給の対象外となります。

パート・アルバイトでも自分で社会保険料を払っていればOK

妊娠した方が、自身で健康保険などの社会保険料を払っていれば、正社員でなくとも支給の対象になります。

ただし、夫の扶養に入っている場合や、「国民健康保険」に加入の場合は支給の対象外です。

退職した場合は?

出産手当金の手続きをしたあとであれば、退職しても「継続給付」を受けることができる場合がります。具体的には以下の条件を満たす必要があります。

  • 退職日が出産日(出産予定日)から42日以内であること

つまり、さっさと辞めて給付だけもらおう、というのは認められないということですね。

ただし、42日以内というのはあくまで予定日ベースなので、赤ちゃんのや母体の状況で実際の出産日がずれ込んだとしても、問題なく支給されます。


出産手当金の計算

1日あたりの支給額は、「支給対象者の標準報酬日額の3分の2に相当する金額(1円未満四捨五入)」となっています。

簡単にいうと、「お給料の3分の2」です。


出産手当金の申請

申請は加入している健康保険組合に行います。基本的には郵送で受付できます。

お勤めの会社が代行してくれる場合もあるので、まずは職場に相談してみましょう。 (どのみち、会社からの証明書も申請に必要になります)

協会けんぽの場合、申請書は以下からダウンロードできます。

全国健康保険協会/協会けんぽ

申請に必要な書類一覧

申請書を含む、以下の書類を準備して、健康保険組合に郵送しましょう。

  • 健康保険出産手当金支給申請書
  • 健康保険証(コピー)
  • 母子手帳(コピー)
  • 印鑑
  • 事業主の証明書類

申請が受理されれば、約1〜2カ月後に、指定の口座に手当金が振り込まれます。


まとめ

  • 出産のための休職の場合、お給料の3分の2が支給される
  • 国民健康保険の場合はもらえない
  • 扶養に入っている場合はもらえない
  • パートやアルバイトでももらえる可能性がある
  • 申請後の退職ならもらえる可能性がある